GT380 オイルポンプのオーバーホール
1ヶ月ぶりの更新です。
GT380のオイルポンプとラインからオイルが漏れており、2ストオイルの減少が
激しくなってきたので、オーバーホールを行いました。
オイルポンプの写真。ワコーズ2TCでドロドロに・・・
補機類を外せばカバーへアクセスできる
3枚目の写真はカバーを取り外し後の写真です。かなり汚れています。
オイルポンプとラインは3つのネジで一緒に固定されているので、取り外し自体は簡単です。
但し、オイルポンプを外してしまうとポンプ駆動ギアが剥き出しになってしまいます。
シールで密閉されていますが、ゴミが入ると悪影響なので清掃した後でポンプを
取り外した方が良いと思います。
※取り外し後、オイルポンプ下部に駆動ギアと直結させる為のピンがついていますので、
必ず回収するようにしてください。
GT380のオイルポンプとパーツ一式
2枚目の写真は分解後の写真になります。構成するパーツはこの程度なので組み立て
自体は簡単に感じました(個人的な感想ですが)。オイルポンプ自体はヘッドの3つのネジで
固定されているだけなので、ヘッドのネジを全て外せばすぐに分解可能です。
ほぼ全てのパーツが写ってますが、ネジ類とガスケット,メインシャフトを固定するピンは
写っていないです。それらに関しては分解したときにすぐ分かると思います。
分解直後の写真
ガスケットがオイルポンプヘッドとブロックの接着面に張り付いてるのでカッター等で
剥ぎ取ります。剥ぎ取り後、接触面を1500番以上のオイルストーンで磨いてください。
ガスケットを取り除いた後はパーツクリーナーでオイルの通路を洗浄します。
洗浄後は2ストオイルを各パーツに塗布して組み付けてください。
但し、ポンプのヘッドとブロックの接触面にガスケットと液体パッキンを併用するので
接触面へのオイル塗布はNGです(接触面とは写真のガスケットが乗ってる部分です)。
シールの打ち直し
シールにも裏表があります。この向きが正解です。
オイルの吐出量を調整するためのコントロールシャフトです。このパーツにもシールが
あるので、こちらも取替える必要があります。このシールにも向きが決まっており、表側は
平坦ですが、裏側には溝がある形状をしています。
組み付ける際はコントロールシャフトを写真のように置いてシールを取り付けた際に右側に
シールの表面(平坦),左側に裏面(溝付き)がくるようにすればOKです。シール交換完了後、
ヘッドにシャフトを挿入します。
コントロールシャフトを挿入後、ピンを入れてシャフトが抜けるのを防止します。
ヘッド側の作業はこれで一旦完了です。
※ガスケットを剥がす前の写真を使用して説明してますので、パーツがかなり汚いです。
こんな状態で組むとO/Hの意味がありませんので、ガスケットは全て落としてください。
オイルポンプのメインシャフト
メインシャフトにもパーツを組み付ける必要があります。取付けるパーツとしてはバネ2つと
長ピン,短ピンの計4つになります。写真では既にピンが入っていますが、シャフトを写真の
通りに置いた際に"左の穴に長ピン" "右の穴に短ピン"を入れてください。ピンを挿入後に
メインシャフトをブロックに嵌め込みます。
以上でブロック側の作業も一通り完了となります。次にヘッドとブロックを接合する作業に
なりますが、組み合わせる前にコントロールシャフトの位置を確認する必要があります。
組み付け前のシャフト図
このようにコントロールシャフトの凹が左側に来るように設定してください。
ポンプの構造上、逆に取付けると"低回転時にオイルを多く。高回転時にオイルを
少なくする"設定になると思われますので、くれぐれ注意してください。
向きを確認後、ガスケットと液体パッキンを用いて組み付けます。液体パッキンは
極力薄くし、オイルの通路を防がないように塗布してください。
O/H後のオイルポンプ
ヘッドとブロックの接合後に残ったパーツを組み付けて作業完了です。液体ガスケットが
乾燥するまで時間が掛かりますので、最低24時間は放置した方が宜しいと思います。
また、ポンプのレバーを動かした際に戻りが悪い(引っかかるような感じ)といった症状が
出る場合がありますが、ポンプの構造による問題なので異常ではありません。
これでオイルポンプ側の作業は完了です。次回はオイルラインとポンプ流動テストに関して
記載します。お楽しみに!!!